内村智也特定研究員を中心に、ヒトiPS細胞から高効率で安定的に骨格筋細胞を作成する方法を確立し、英科学誌「Stem Cell Research」のオンライン版で公開されました。
タイトル:「A human iPS cell myogenic differentiation system permitting high-throughput drug screening」
我々の研究室では、骨格筋の分化を制御する転写遺伝子MyoD1を強制発現させる事による骨格筋細胞誘導法を報告してきました。しかしながら、この方法はスクリーニングに用いられる96ウェル(穴)プレートや384ウェルプレートでの分化誘導には不向きという欠点がありました。内村研究員らは、分化誘導の開始は比較的大きい培養皿で培養を行い、分化誘導開始3日目から4日目の間に一度細胞をはがし、96ウェルプレートや384ウェルプレートに撒き直すこと(Replating)で、均一な誘導効率、細胞生存率を実現しました。
この新しい手法では、フィーダー細胞無しでも効率的な骨格筋への分化誘導が可能で、ハイスループット創薬スクリーニングにも対応できると考えられ、筋疾患患者さん由来iPS細胞を用いた創薬開発に役立つと期待されています。
詳しい研究の内容はCiRAホームページのプレリリースをご参照ください。
http://www.cira.kyoto-u.ac.jp/j/pressrelease/news/171201-110000.html